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不動産投資では金利よりも融資期間が重要

(写真=Worranan Junhom/Shutterstock.com)

不動産投資は、一般に金融機関からの融資を受けて行います。融資ですから、金利と返済期間が定められ、月々の返済額と総返済額が決まるのですが、月の返済額を減らし返済総額を増やすのが良いのか、それとも月々の返済額は多いけれど総額が少ない方が良いのか、悩む人もいるかもしれません。なんとなく返済総額が少ないほうが得をした気分になりそうですが、果たして本当にそうでしょうか。

ローン返済額は毎月の支出で大きな割合を占める

物件を購入して運用を開始すると、月ごとに収入と支出が発生します。収入は家賃であり、支出はローン返済や管理費、修繕積立金、各種税金です。また、収入から支出を差し引き、手元に残るお金のことをキャッシュフローと呼びます。

1室の家賃が10万円で、20室のマンションから得られる家賃収入は、最大でも200万円です。ここから減ることはあっても、増えることはありません。支出は管理費や修繕積立金、税金で、その金額に大きな変動はなく、多くても合計で毎月数万円程度でしょう。一方で、ローンの返済額を考えます。このマンション一棟を1億円で購入し、金利2%、期間35年でローンを組んでいたとすると、毎月の返済額は約33万1,000円になります。

このように毎月の支払いにおいて、ローン返済額がその大部分を占めます。そして、その金額は金利と返済期間によって上下します。

金融機関は物件の構造で融資期間が決まる

融資期間は一般に、物件の構造別に定められた法定耐用年数に連動して設定されます。住宅の法定耐用年数は、軽量鉄骨造が19年、木造が22年、鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造(RC造)は47年。築年数から残存年数を算出して定められますので、軽量鉄骨造や木造の場合は耐用年数を過ぎていないか特に注意が必要です。

耐用年数は建物の寿命という意味ではありません。税務上の減価償却のための数字です。メンテナンスを適切に行えば、構造にかかわらず耐用年数以上に使用することができます。特に、最近のRC造はかなり堅牢になってきていますので、融資期間を50年以上にしてくれる銀行もあります。

低金利時代、金利を下げるよりも期間を長くして返済額を減らす

それでは、もし銀行と交渉できるとすれば、金利を下げてもらうのと返済期間を延ばすのとでは、どちらが良いでしょうか。

たとえば、金利は同じ2%で期間を25年とすると、返済額は約42万4,000円となります。期間35年では約33万1,000円でしたので、返済期間が10年長いと毎月の返済は42万4,000円から33万1,000円に減ります。毎月9万3,000円のキャッシュフローが生まれました。また、支払総額は、25年の場合、約1億2,700万円で、35年の場合は約1億3,900万円となり、1,200万円増えることになります。

金利を変えた場合はどうでしょうか。金利を1.5%にして、返済期間は25年のままにします。月々の返済は約40万円です。金利2%の返済額は42万4,000円ですから、それほど減っていないことがよくわかります。ちなみに総返済額は金利1.5%で約1億2,000万円、2%で約1億2,700万円となり、その差は700万円です。

返済期間を10年延ばすのと、金利を0.5%下げるのでは、このような違いがあります。

キャッシュフローを最大化する

ビジネスにおいて、「キャッシュフロー経営」という言葉があります。利益を追求するよりも、手元のキャッシュを増やすことが経営の目的であるという考え方です。帳簿上で利益が出て、税金を納めなければならないときに、そのためのキャッシュがなくては、何のためにビジネスをしているのかわかりません。実は不動産投資も同じです。利益を出すことよりも、手元に残るキャッシュを増やすことが大切です。これが積み上がれば、空室が出たり急な修繕が発生したりしたときにも対応できます。新規物件の購入原資になりますし、なによりも生活の「足し」にできます。

返済総額が少なくなるからといって、返済期間を短く設定しても、キャッシュフローがマイナスになってしまっては、なんのために不動産投資をやっているのか、わからなくなってしまいます。幸い、日銀のマイナス金利政策を背景に、市中に大量の資金を流通させようという低金利政策が続いています。ローンの金利を少しでも少なくしようとするより、返済期間を延ばしてもらって、月々の返済額を減らすほうが、現状では正しい選択といえるのではないでしょうか。

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