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民法改正で賃貸オーナーが注意するべきこと3つ

(写真=kosmos111/Shutterstock.com)

財産や家族、契約などに大きくかかわる民法が改正されました。約120年ぶりの大型改正とされ、今後のビジネスに与える影響は大きいと言われます。売買や賃貸など、不動産の実務は、民法と切っても切れない関係にあります。今回の改正では、これまであいまいだったルールが明確化されたところも少なくありません。そこで今回は賃貸オーナーが注意すべき点として、3つのポイントに絞ってみました。

1)賃借人が自己判断で修繕しやすくなる

賃貸物件で雨漏りが発生した場合、現行法では、オーナーに修繕義務があります。しかし、オーナー側も、すぐに対応できない事情があったり、場合によっては、応じたくなかったりすることもあります。こんなとき、賃借人は困り果てるだけでした。というのは、現行法では、賃借人に修繕権の規定がなかったからです。しかも、自分の所有物ではない賃貸物件を修繕してしまうと、「勝手に改変した」と契約解除に至る可能性もありました。

そこで、今回の改正では、賃借人がオーナーに対して、修繕の必要性を通知した後に、一定の期間内に修繕が行われなかった場合、かつ、差し迫った事情がある場合には、賃借人が修繕できる権利が盛り込まれました。

ただ、その修繕の妥当性や範囲までは定められていません。窓が壊れた場合、鉄の枠をアルミサッシに変えたり、トイレの便座が壊れた場合、シャワートイレに変えたりしたときは、どう判断されるのか。こういう事態に備えるためにも、修繕の内容について、書面で通知することや、「承諾なしで修繕できるのはこの範囲」などと、事前に取り決めておくことが重要です。

2)賃料の減額請求が容易に

民法には、地震などの天災で賃貸物件が倒壊し、使用不能になったときの取り決めがあります。現行法では、「賃貸物件が滅失した場合に、賃借人が賃貸人に対し賃料の減額を請求することができる」とあります。これまでは「請求できる」だったのが、「賃借人からの請求がなくても当然に賃料は減額される」となりました。賃借人の立場がより有利になっています。

さらに改正法では、「必ずしも物件が滅失しなくても、賃貸物の一部が使用収益できなくなれば、賃料が減額される」となりました。使用収益とは、利益を得るために必要なもののこと。例えば、建物は倒壊していなくても、店舗の玄関や厨房などが破壊されたため、営業ができなくなってしまうような状況が対象となります。

これも賃借人の立場を強めたものと言えます。一方、オーナーにしてみれば、「その程度の損傷で本当に使用収益できなくなったのか」という反論も出てくることでしょう。玄関が壊れたら、お客さまは店内に入ってこられませんし、厨房が壊れたら、飲食店は食事を作ることができません。しかし、エアコンやお手洗いが壊れたなどの場合、賃借人から「エアコンとトイレが使えないので営業できませんでした」といわれても、オーナー側には「本当か」という疑問が生じるのは当然でしょう。

こうしたケースでは、どのように折り合いをつけるのか、トラブルに発展する前に、契約時に取り決めをしておくことが無難です。

3)保証人の限度額設定が必要に

賃貸マンションの賃貸借契約では、賃料が払えなくなったときに備えて連帯保証人を求めることが普通です。こうした場合、根保証契約といって、請求の限度額には定めがありませんでした。賃料の不払い程度では、それほど多額にならなくても、不注意で火事を起こして全焼させてしまったような場合は、巨額の賠償金でも負担することになっていました。

改正法では、個人が根保証契約を結ぶ際、保証の限度額(たとえば500万円まで)を定めた上で、明示して合意しなければ、効力を発しないことになりました。これもオーナーにとっては不利な話です。今後は保証会社を介在させるようになってくと予想されます。

このように、これまで民法で規定されていなかった内容が、判例などを踏まえて明記されるケースが増えています。従来の実務を大きく変えるものではないかもしれませんが、注意が必要です。

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