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注目!民法改正が賃貸管理業に与える影響

(写真=Alexander Raths/Shutterstock.com)

2017年に民法の改正が公布され、2020年4月1日から施行が決まりました。賃貸管理業に影響する部分もあり、多くが借り主へ有利に傾くと指摘されています。民法の改正に伴い、賃貸物件のオーナーはどんな点に注意すればよいのでしょうか。

連帯保証人の改正で注意すべき3点

実務に最も影響するのが連帯保証人に関する改正でしょう。ポイントは3つあります。まず、賃貸マンションを賃貸借契約する際、借り主の家賃滞納がかさんだり、支払い不能に陥ったりしたときなどに備え、借り主には連帯保証人を立ててもらうことが一般的です。

これまでは請求限度額がない根保証契約で、連帯保証人は借り主がつくった債務の分だけ、支払う必要がありました。火事を起こしてしまったり、他の入居者が退去せざるを得なくなるような迷惑をかけてしまったりしたら、賠償金を含め、相当な金額が請求されることもあったのです。

2020年から施行される民法改正ではこの点が変わります。個人が根保証契約を結ぶ際、例えば、「500万円まで」などと定めた責任限度額(極度額)を保証契約書面に記載することが義務化されました。もし記載がなければ、保証人契約は無効になります。

次に、借り主が死亡した場合、その時点で連帯保証人の債務の元本(保証責任額)が確定するようになりました。それ以降に発生する損害は保証の範囲外となります。例えば、借り主が死亡した後、同居人の配偶者が賃貸借契約を引き継いで、そのまま住み続けた場合、その引き継がれた契約に関しては、連帯保証人の責任は存在しなくなるのです。

最後は、主に企業が社宅として物件を契約する場合などが該当します。「事業のために負担する債務(賃貸借契約)」に保証人をつける場合は、借り主である企業は、保証人に対して、財務状況について情報提供しなければならないというものです。この情報提供がなく、貸し主がその事実を知っていた(知りうる状況にあった)場合、保証人は保証契約を取り消せます。

連帯保証人が保証する範囲が限定的になれば、その分オーナーのリスクは高まります。今後は、家賃保証会社の利用やオーナーリスク保険の普及がさらに進むのではないでしょうか。

賃料減額を求められる事態に備え、メンテナンスは入念に

今回の民法改正で、賃貸物件に不具合が生じて予定通りの使用ができなかった場合、家賃が減額されることになります。賃料の減額について、これまでは「賃貸減額請求権の発生」だったのが、「賃借人からの請求がなくても当然に賃料は減額される」と変化したのです。さらに、改正法では「必ずしも物件が滅失しなくても、賃貸物の一部が使用収益できなくなれば、賃料が減額される」となりました。

例えば、給湯器が故障したために、しばらく風呂に入れなかったり、食器が洗えなかったりした場合、家賃を減額することが当たり前のことになります。これまでは、迷惑料を支払うなどして、対応していたケースもあったでしょう。しかし、民法改正により、借り主の権利意識は高まるでしょう。

「エアコンが作動しないから、家賃を割り引いてほしい」などと要求されるケースが増えるかもしれません。設備のメンテナンスを入念に行うことはもちろん、借り主の要求に対して、どう対応していくのかを事前に準備しておくことが重要です。

「敷金とは」「経年劣化とは」など明文化義務も

このほか、これまで、取り決めがあいまいだったために、トラブルになりかねなかったことが、法律に明記されることになりました。入居時に預かる「敷金」は、その根拠が慣習に基づくもので、しかも、退去時にそこから差し引かれる原状回復費用についても、ルールがあいまいでした。

この2点が法律に明文化されます。この点はオーナーにとって不利になるというよりも、「敷金」の返金をごまかしてきた「悪質」なオーナーを排除する方向に進むでしょう。そのため、賃貸市場においては、オーナー・入居者の双方にメリットがあるといえそうです。

このほか、借り主が使用収益のために、オーナーに修繕の必要性を通知しても、対応してもらえなかった場合もありました。しかし、急迫の事情がある場合には、借り主は自分で修繕できる権利があることが盛り込まれました。

さて、今回は民法改正に伴う賃貸管理業への影響について考えてみました。備えをせず、これまでの意識のままでいると、思わぬリスクに足元をすくわれることになります。これまで以上に、賃貸物件を借りる人の権利意識や知識も高まっています。オーナーは、こうした民法改正にも、適切に対応することが求められているため、しっかりと意識して対策をしておきましょう。

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