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不動産投資に欠かせない経費、減価償却を考えてみる

Depreciation
(写真=Vintage Tone/Shutterstock.com)

不動産投資とは切っても切れない関係にある減価償却費ですが、自分が所有する物件の減価償却費を正確に把握していない方も多いのではないでしょうか。

減価償却費とはどのような経費なのか、その概要を説明するとともに、その計算方法や不動産投資における減価償却費の考え方について解説します。

減価償却とは

一般的に、建物、建物に付属する設備、機械装置、器具備品、車両運搬器具などの資産の価値は、時の経過とともに減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。一方、土地などのように時の経過とともに価値が減少しない資産は、減価償却資産にあたりません。

減価償却資産の取得にかかった費用は、取得した年に全額を経費として計上できるわけではありません。その資産の使用可能期間の全期間にわたり、分割して必要経費として計上していくことになります。この使用可能期間にあたるのが、財務省令にて定められた法定耐用年数(後述)です。そして減価償却資産の取得に要した支出を、一定の方法に従って毎年の必要経費として費用配分していく手続きのことを、減価償却といいます。

法定耐用年数とは、減価償却資産の法定上の使用可能見積期間のことです。個々の資産の耐用年数を正確に見積もることは困難なため、減価償却資産ごとに耐用年数が決められています。

代表的な減価償却資産の法定耐用年数は、次のようになります。
・ 一般用の自動車 : 6年
・ 木造の建物(店舗・住宅用) : 22年
・ 厚さ3ミリメートル以下の鉄骨(軽量鉄骨)造の建物(店舗・住宅用) : 19年
・ 厚さ4ミリメートルを超える鉄骨造の建物(店舗・住宅用) : 34年
・ 鉄筋(鉄骨)コンクリート造の建物(住宅用) : 47年

建物の耐用年数

新築であれば、法定耐用年数がそのまま耐用年数の残存期間ということになります。では、中古の場合の耐用年数はどのように考えればいいのでしょうか。

中古の建物の場合、その建物の使用可能期間を見積もることで耐用年数を決める見積法が原則になります。しかし、対象となる建物があと何年使用できるか、それを見積もるのは非常に困難です。そこで、簡易的に中古の建物の耐用年数を算出するための簡便法という手法が、税法によって定められています。この簡便法では、建物の築年数に応じて次の2つの計算方法が用いられることになります。

・ 築年数が耐用年数を超えている建物
この場合の建物の耐用年数は、法定耐用年数の20%ということになります。例として、築25年の木造住宅の耐用年数について考えてみましょう。木造住宅の法定耐用年数は22年です。その20%にあたる期間、つまり4年(端数は切り捨て)がその建物の耐用年数ということになります。

・築年数が耐用年数の一部を経過した建物
耐用年数 =(法定耐用年数-経過年数)+ 経過年数の20%

築10年の鉄筋コンクリート造のマンション(法定耐用年数は47年)の耐用年数について考えると、鉄筋コンクリート造建物の法定耐用年数47年 − 築年数10年 +(築年数10年×20%)= 39年ということになります。

減価償却費計算の具体例

耐用年数が計算できたところで、実際に中古の建物の減価償却費を計算してみることにしましょう。築年数10年・鉄筋コンクリート造・価格1億円のマンションを購入したとします。減価償却費は、取得価格と耐用年数に応じて定められた償却率から計算することができます。なお、減価償却費の計算方法には定額法と定率法の2種類の計算方法がありますが、ここではより理解しやすい定額法を用いて計算してみましょう。

すでに計算したとおり、築10年の鉄筋コンクリート造マンションの耐用年数は39年です。耐用年数が分かれば償却率表を参考に、償却率を求めることができます。償却率表は、国税局のサイトに掲載されています。償却率表から、耐用年数39年の償却率は0.026だということが分かります。

購入したマンションには土地の権利も含まれているため、1億円のうち土地と建物がそれぞれ占める割合を考えなくてはなりません。売買契約書に土地と建物の割合が記載されている場合はその内容に従うことになりますが、売買契約書に記載がない場合は、固定資産税評価額に従って按分するのが一般的な方法となります。ここでは、売買契約書に土地5,000万円、建物5,000万円という記載があるものとして計算します。

定額法による減価償却費は、次の計算式で求められます。
減価償却費 = 取得価額 × 償却率

この式に建物の取得金額の5,000万円と償却率0.026を当てはめてみましょう。すると減価償却費は、5,000万円 × 0.026 = 130万円/年ということになります。

建物の割合が大きい物件購入のススメ

例えば、上記の例で建物の割合が8割、つまり建物の取得価格が8,000万円とします。その場合の減価償却費は8,000万円 × 0.026 = 208万円/年となり、上記の例より78万円も減価償却費が大きくなります。つまり、経費を年間78万円も多く計上できることになり、その分節税効果も見込めるということです。

減価償却費を大きくとれる建物の割合が大きな物件を選ぶことも、不動産投資の一つの戦略ではないでしょうか。

ただし減価償却費を大きくとると、将来、売却する際の売却原価が下がる分、売却時譲渡益が高くなり、譲渡税が高くなることも忘れないようにしましょう。

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